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ニパニパ親子

ヤマタケの散歩中信号待ちで停座させているときにご婦人に話しかけられた。

「お利口さんやねぇ。いつも仲良く並んで歩いてるし信号もちゃんとお座りして待ってるもんねぇ。賢いなぁって思ってたんですよ。」

この時期からもう既に汗を流しながらの散歩姿を見知らぬ人に見られていたなんてと赤面しつつ、こんなふうに褒めていただけるとは躾教室に頑張って通った甲斐があったというものだ。なによりこの子達が仲良く見えるというのが嬉しいではないか。ご婦人の優しい眼差しにヤマタケも自分達が褒められていると察して、ニパッと笑顔を向けていた。

「お顔も似てるわぁ。兄弟?」

わーい、兄弟だって!

「いえ、兄弟ではないんですよ。」

「えー、そうなの? 兄弟みたいよ。」

「一緒に暮らしてたら似てくるんですかねぇ。」



「そっくりよぉー。」



ヤマタケと私の顔を交互に見るご婦人。



このニパ男達と私も似てるってことですか?

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お母ちゃんなんだから似て当然さ。

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| 日々の出来事 | 21:46 | comments:13 | trackbacks:0 | TOP↑

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タケルクエスト

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7回。覚えているだけでも7回。タケルがリードを噛み千切って自由を獲得した回数。

カフェで私がケーキを頬張っているほんの十数秒の間に、または散歩後玄関に待たせて先にヤマトの足をお風呂場で洗っている間などに、タケルは繋がれたリードをいとも簡単に噛み切って、「ヤッホーイ、俺は自由だぜー」と叱られてもおかまいなしに得意げに逃げ回っていた。

他にも飛び出し防止用の木製ゲートの柵を噛み砕いて破壊した数は2台。更には築3年にも満たない我が家の玄関や階段の木枠もガリガリガジガジとやってくださった。

その度に千切れたものは縫い合わせて繕ったり、破壊されたものは修理したり、直しようがなくなったら新しいものに買い換えたり、もうしょうがないやと諦めたりと、ヤマトでは経験したことのない苦労と無駄な出費を味わったものだった。

そんな暴れん坊タケル。生後4ヶ月から躾教室に通い始め、ツケで脚側、スワレで停座、マテで待機というように言葉の持つ意味・コマンドをすぐに理解し、1歳を迎える頃にはそれまでの所業の数々が嘘のようにいたずらをしなくなり、一時たりともじっとしていられなかったのがおとなしくマテができるまでになった。

タケルの忍耐力を試すとき、それが散歩の後だ。

ヤマタケの散歩後はお風呂場でまず全身チェックをしながらのブラッシング、そして足・お尻・おちんちんを洗い、耳掃除と歯磨きをして、固く絞った濡れタオルで全身を拭き、最後に乾いたタオルで拭くという手順で、1頭につき15分はかかる。狭いお風呂場にデカ尻お母ちゃんと柴2頭でこれらの作業をするのは大変だし、何ごとも先住犬であるヤマトを優先させるため、タケルはその間玄関で待っていなければならない。



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タケルは 15分間ノーリードで待つことを おぼえた!

お母ちゃんは かしこいねーを となえた!

タケルのかしこさが 15 ふえた!

お母ちゃんは よろこびを 46 かくとく!



そして今日、



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タケルは ふてくされるふりを おぼえた!

お母ちゃんは 待たせてごめんねーと ごきげんとりをした!

タケルのこずるさが スキルアップした!

お母ちゃんは 48の ダメージを うけた!



マテたんきゅうのたびは まだまだ つづく。

| 日々の出来事 | 01:52 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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群れに生きる

散歩中、しゃがみこんでお喋りに興じるご婦人方と犬一匹に出くわした。

住宅街の狭い路地なので引き返して迂回するべきかとも思ったのだけれど、ヤマタケよりもやや小さいその犬はこちらの存在に気付いてもおとなしくしていたので大丈夫だろうと思い、ひと声掛けてから通り過ぎようとした。

全然大丈夫じゃなかった……。

その子はすれ違いざまギャンギャンギャンと吠えるやいなや、あっという間に飼い主の元を離れてヤマトのお尻にガブッと咬みついてきたのだ。

今まで聞いたことのないヤマトの悲鳴に、ここで下手に手を出したら私も咬まれてさらに大変なことになるかもしれないと思ったが、私は犬の口元に拳骨を押し付け、こじ開けて引き離そうと必死だった。

そして、タケルも必死だった。

タケルはいつもの甲高い「ギャウッ」ではない恐ろしく低い唸り声をあげながら、ヤマトと犬の間に顔を突っ込んできた。ここでタケルまで参戦したら厄介なことになると、「タケル! ダメ!」と咄嗟に突き放すも、今度は身体を押し付け割って入ろうとしてきた。まるでヤマトを助けようとするかのように。やっとのことで引き離した後も、タケルは咬まれた箇所を確認している私とヤマトの前に立ちはだかり、小さく唸り続けて誰も寄せ付けないように守ってくれているようだった。

咬みついたまま離さない犬の様子からして大怪我を覚悟していたのだが、あれだけ悲鳴をあげたわりには歯型に血が滲んでいただけで、念のため病院でも診てもらったがどこも問題なかったのは本当に幸いだった。


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それにしてもタケルの行動には驚かされた。モグラみたいに小さな仔犬時代から癇癪を起こしては咬む引っ掻く、私の親指の爪を割るほどに本気咬みしたことさえあったタケル。そのタケルがあの状況で相手の犬に咬みつくことなく唸って警告するにとどまり、そのうえヤマトや私を庇う素振りまで見せたのだから。

暴れん坊だのチンピラだのとタケルを揶揄してきたけれど、そもそもタケルがヤマトや他人・他犬を咬んだことはない。かつて私を本気で咬んだことがあったが、それを諌められてからは一度も咬んではいないし、いけないことだと理解している。タケルが着実に学習し成長している証拠だろう。

相性が悪ければ血を見るほどの権勢争いがあるという柴犬の多頭飼い。それが何より一番の心配だったのだけれど、今まで一度もそういった喧嘩をしたことがない。ひとりっ子で気楽な生活だったヤマトにとってはストレスが溜まることもあるだろうに、タケルに対して意地悪をしたりすることもない。タケルも気の弱いヤマトが相手なら容易に順位を逆転させることもできるであろうに、ごはんや家に入る順番などヤマトを立てるべきところはちゃんと立てている。彼らは私が思っている以上に群れとして互いを受け入れ、ともに生きる術を見出していたのだ。


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私が判断を誤ったせいで引き起こした今回の出来事。ヤマトには可哀想なことをしてしまった。本当にごめんよ。お母ちゃんも群れのリーダーとしてもっとしっかりしないといけないね。

| 日々の出来事 | 07:36 | comments:5 | trackbacks:0 | TOP↑

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夜のメリーゴーランド

どうしてこう災難は続くのか。いつもなら陽のあるうちにする散歩を、雨があがってからにしようと夜まで引き伸ばした私が悪いのか。

自宅近所の小さな公園の横を通り過ぎようとしていたその時、ふと気配を感じ振り返るとヤマタケよりも明らかに大きい犬が突進してきた。

愛犬を守るため・被害を最小限に留めるためにも襲われそうになったら横腹を蹴るべしと教わったが、体勢的に無理がありやはり蹴るのは躊躇われた。この大きさの犬に咬まれたら一昨日のように無事では済まない。ええいもう私を咬めっとヤマタケを後ろに回して前に立ちはだかるも、その犬は私など眼中になく回り込んでヤマタケを追う。ヤマタケも私を中心に輪になって逃げ惑う。グルグル回る私達。飼い主さんも「すみませんすみません」と言いながら私達の周りをグルグル回る。「やめて! やめて! 早く捕まえてくださーい!」

そして、気が付いた。

その犬は全く唸っていないし、ヤマタケも怒ってない。ハッハハッハと息を荒げているだけだ。えーと何かい? お前さん達は私がこんなに必死になっているのに追いかけっこで遊んでいるのかい!?

飼い主さんに捕まえられたその犬は、無邪気な顔でハアハアと息を弾ませ笑顔を見せていた。どうやら遊びたくて駆け寄ってきただけのようだった。ノーリードにしていたのかリードを持っていたのに振り切られたのかはわからないが、なんだかもう気が抜けてしまった。

「きよしゅけてくだしゃいね……。」

どっと疲れて呂律もまわらずそれだけ言って帰ってきた。


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あのねぇ、お母ちゃんはすっごく怖かったんだからね!

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6歳になりました。

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ヤマトが6歳の誕生日を迎えた。

大きな病気や事故に遭うことなく、無事この年を迎えることができたことに感謝しつつも、真っ黒だったお髭も半分は白髪になり、お顔の色も徐々に退色して白い部分が目立ってきたのを見るにつけ、切なくなってしまう。

人間でいうと40歳。お前がお父ちゃんよりも年上のオッサンだなんて!


頼むから元気で長生きしておくれ。

| 日々の出来事 | 23:43 | comments:5 | trackbacks:0 | TOP↑

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